AMD Ryzen 7 5700Xを買ってみたのでPBO2+COしながらレビューしてみる。
今回は正月のソフマップの特価で5700Xとグリスセットがかなり安かったので衝動買いしてしまった。というわけでPrecision Boost OverDrive 2(PBO2)とCurve Optimizer(CO)をしてどの程度スコアが伸びるかを検証してみた。
CPUの上に乗っているグリスのレビューはしないので安心して欲しい。
なんと届いてから気づいたけどCPUクーラーが付属していないモデルだった。これじゃあTSMCの工場の空気運んでるだけじゃん。
というわけで今回使用するCPUクーラーはThermalright PS120。TDP280Wまで対応している空冷最強クラスのCPUクーラーを使うこととした。5900Xで検証したときのデータもあるので詳しくは過去の記事を見て。
さっさとCPUを乗っけていく。なんか上の方とか右の真ん中の方が茶色や液体をこぼした後があったりして錆びてるのかと疑いたくなるような汚れがある。どこかのレビューにも汚れているという指摘を見た気がする。CPUクーラーで見えなくなるし動けばいいので気にしない。
CPUクーラーを取り付けて完成。いつもは5点バースト塗りをしているので気になる方はnoctureの動画を参考にして。
グリスもはみ出しすぎていないことを確認。PS120は圧力がそんなに高くないのでたぶんCPUやマザーボードに優しい。とてつもなく重たいこと以外は。
今回使ったグリスはMX-4。かなり柔らかいので何度CPUクーラーを外してもスッポンしないので気に入っている。謎グリスは、、、うん。
自作PCの環境はこんな感じ。5900Xを5700Xに変更しただけ。
項目 | パーツ |
---|---|
CPU | Ryzen 5700X |
CPUクーラー | PS120 |
ケース | Define R6 |
ケースファン | Dynamic X2 GP14 x3 |
メモリ | DDR4 32GBx2 |
マザーボード | TUF GAMING B550-PLUS |
グラボ | MSI GeForce RTX 3070 GAMING X TRIO |
NVMe | Crucial P3 |
HDD | 2台 |
電源 | Corsair RM750 |
室温とCPUクーラーの回転数は以下となった。CPUクーラーの回転数は最大とした。実行環境は天板や横はすべて塞いでいる。前回のCPUクーラーを比較したときと同じ環境。冬なのでちょっと室温がひくい。
室温(度 | 19.2 |
---|---|
CPUクーラー(RPM | 1470 |
今回はCinebench R23を使用して定格と5800X化、他Precision Boost OverDrive 2(PBO2)とCurve Optimizer(CO)の設定をためした。結論から言うとRedditに書かれていた謎のPBO Limitが攻守最強となった。マザーボードにお任せの設定をした場合はPPT 1000ととんでもない設定となっていることが分かる。
- 定格 Precision Boost OverDrive 2(PBO2)をOFFにした元の5700X
- 5800X化はPBO Limitを5800XのTDP105Wに合わせた設定
- マザボはPBO Limitをマザーボードにまかせた設定
- マザボ+COはPBO LimitをマザーボードにまかせてCurve Optimizerを使用
- TDP95WはPBO LimitをTDP95Wに合わせてCurve Optimizerを使用
- RedditはPBO LimitをRedditおすすめのCurve Optimizerを使用
定格 | 5800X化 | マザボ | マザボ+CO | TDP95W | ||
---|---|---|---|---|---|---|
Cinebench R23 マルチ(pts | 13398 | 15415 | 15504 | 15543 | 15469 | 15287 |
Cinebench R23 シングル(pts | 1509 | 1500 | 1573 | 1555 | 1559 | 1561 |
CPU Package Power(w | 78 | 132 | 142 | 142 | 131 | 116 |
CPU Tctl/Tdie(度 | 48 | 77.3 | 76.6 | 76 | 74 | 66 |
Boost Clock Override(Hz | - | - | 200 | 200 | 200 | 200 |
PPT(W | 76 | 142 | 1000 | 1000 | 128 | 120 |
TDC(A | 60 | 95 | 160 | 160 | 85 | 75 |
EDC(A | 90 | 140 | 190 | 190 | 130 | 110 |
Curve Optimizer | - | - | - | Per Core | Per Core | Per Core |
さっそく検証したデータを見ていく。定格と比べると他はすべてマルチスコアが伸びている。シングルでは定格と5800Xで差がないのはBoost Clock Overrideを無効にしているためで+200にした他の結果では伸びていることが分かる。
マザボとマザボ+COはCOを使用しているかどうかの違いでベストコアを0、他コアを-5とした設定では差が見られなかった。残念ながらガバ設定ではリスクに対してリターンがない事がわかる。マザーボードにおまかせ設定ではPPT、TDC、EDCが激しい設定になっているが温度上昇は75度越えたあたりで止まる。冷却が足りないためか、このあたりでマルチスコアが伸びなく他と似たような結果に繋がっていると思う。
TDP95Wはマザボ+COでマザーボードにお任せだったPBO LimitをTDP95Wとした場合で若干の温度低下と消費電力の低下が見られた。5800Xと比べると消費電力は変わらず少し温度が下がったことが分かる。
最後にRedditはRedditにかかれていたおすすめ設定でマルチは最高値のマザボ+COと比較して-1.65%ほど低いがシングルは変わらず消費電力と温度が低下し空冷クーラーでも扱いやすい結果となった。物理の実験だと誤差5%未満なので成功ってね。
Curve Optimizerの表はこちら。Ryzen Masterから取得したデータを元にベストコアを0、他のコアを-5とした。アスキーの記事によると5600XでCOをオールコアで0にした状態でベンチが通らないなどの状態があるよう。ベンチマークの結果を見て分かる通り少々では意味がなくCOをするメリットはリターンに見合っていないのでAutoでいいと思う。この記事にAMDおすすめのPBO2設定も乗っているので参考にどうぞ。
CCD 0 | Per Core | Best Core |
---|---|---|
C01 | -5 | |
C02 | -5 | |
C03 | -5 | |
C04 | -5 | |
C05 | 0 | ● |
C06 | -5 | |
C07 | -5 | |
C08 | 0 | ★ |
TDP95WとするPBO Limitはここを参考とした。7000シリーズは1発で指定可能なので5000シリーズに合うように計算した。
RedditおすすめのPBO Limitはここを参考とした。
PPT = 120, TDC = 75 and EDC = 110
https://www.reddit.com/r/Amd/comments/kfpele/5800x_adjusting_ppttdcedc_limits_on_pbo_got_me/
普段用のCPUクーラーのファンカーブはこんな感じにした。72度までは42%としてそれ以降は85度までを直線とした。
最後に
BIOSに入るためにDelキー連打するのは疲れた。Delキー連打だとBIOSに入れる確率は1/2でF2キー連打だと確実に入れるのは謎だ。色々とPBO2とCOの設定を試してみたけどRedditのおすすめ設定がほぼスコアの低下がなく温度が下がりベストということになった。そして格安で実質5800Xを手に入れられた。
はてなブログの機能でAIにタイトルを考えてもらったけどなんか鳥肌が立つようなタイトルになったけどこのままにしておく。